戦国時代の恋愛事情:武家は命令婚だけ?庶民は自由恋愛できた?

恋愛蘊蓄

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」が 2026年1月4日から放送開始になり 、戦国の人たちの“恋愛”が気になった人も多いはず。

ただ、戦国の結婚や恋愛は、現代みたいに「好きだから結婚する/しない」が中心ではありません。ざっくり言うと――

武家(とくに上の階層):結婚は「家の政治・同盟・家督」の道具になりやすい

庶民(村落):恋の入口は比較的開いている地域もあるが、「結婚として成立」するには共同体のルールが強い

・つまり 「命令婚 vs 自由恋愛」ではなく、“家と共同体が合意を作る仕組み”の違いがポイント

そこで戦国時代の恋愛事情をまとめてみました。

戦国時代の恋愛事情:武家は命令婚だけ?

まず前提:中世~戦国は「婚姻の形」が揺れている

日本の婚姻形態は、時代が下るにつれて大まかに 妻問婚(通い婚)→婿入婚→嫁入婚 という流れで整理されることが多く、当時の同居形態・家のあり方とセットで語られます。([文部科学省]

戦国を「政略結婚の時代」と感じやすいのは、武家社会を軸に “嫁が夫の家に入る(嫁入婚)”の比重が増し、家単位での統制が強まっていく流れの中にあるからです。

武家社会はすべて命令婚だったのか?

結論:上に行くほど「命令に近い」けれど、全員が機械的に決められていたわけではない

大名~上級武士ほど、婚姻は「政治」である

戦国期の武家の婚姻は、恋愛の結果というより 同盟・家格・家督・人質・家中統合 といった政治課題と結びつきやすい。だから“命令婚っぽく見える”のは事実です(ドラマでもここが一番ドラマチックに描かれがち)。

ここで大事なのは、「家」の目標が個人の希望より上に置かれやすいこと。結婚は当人同士のイベントというより、家と家の契約に近い発想になります。

ただし「当人の意向ゼロ」と言い切るのも危険

武家の結婚が政治的でも、実際には親族の利害や持参財、相続、家内の力関係などが絡みます。なので、命令一本槍というより “家の論理が強い中での交渉” と捉える方が実態に近い、という立て付けにすると記事が堅くなりすぎません。

離縁(離婚)・再婚は「例外」ではなく、制度として存在する

戦国~近世にかけて離縁状(去状/離縁状/三行半)の話が有名ですが、そもそも離縁状は「今後誰と縁づいても構わない」という再婚許可の文言が重要、と解説されます。

また、武士は婚姻・離婚に許可や届出が絡むという説明も見られ、武家社会は“家と上位権力の管理下”に置かれやすい構造です。

> 「政略結婚=一生固定」ではなく、政治的に結ばれ、政治的に解消されることもある。その現実が“戦国っぽい”。

庶民は自由恋愛だったのか?どこまで許されたのか?

結論:「恋の入口」は開いていることもあるが、結婚は共同体の承認が強い

庶民の婚姻は地域差が大きく、戦国当時の一次史料が武家ほど豊富ではありません。そのため、民俗学・地域史の記録(主に近世~近代に記録)を手掛かりに “村のしくみとしての婚姻”を復元していく説明が多くなります。

その中でよく語られるのが、若者組娘宿のような若者の交際の場。たとえば三重県の解説では、娘宿が男女交際の場として機能し、周囲に公認されるカップルができると宿親が話をつけて正式な婚姻へ進む、という流れが紹介されています。

「ヨバイ(夜這い)」=不道徳な乱行、とは限らない

同じく三重県の解説では、ヨバイを“忍び込み”のイメージと切り分け、親や宿親・娘側も承知した オープンな配偶者探しの手段として説明しています。

徳島県立図書館の地域研究でも、ヨバイが求婚手段として社会的に容認されていた文脈が語られます。

ただし、これは「何でも自由」の意味ではありません。むしろ 若者組・親族・村の目が強く、恋愛は共同体の規範の中で運用されがちです。夜這い習俗の議論でも、村の構造や変化と絡めて扱われています。

> まとめるなら

> 「恋愛(交際)は個人の気持ちで始まる余地がある/結婚は共同体が“成立させる”」

> という二段構えが分かりやすいです。

じゃあ「自由恋愛」はあったの?

ここまでの話を、現代の言葉に無理やり当てはめると混乱します。

* 武家:個人の恋より 家の戦略が最優先(命令に近いことが多い)

* 庶民:恋の入口は開いても、村の承認・親族の調整が強い(自由=個人主義ではない)

つまり戦国の“恋愛”は、

「個人の気持ち」+「家の事情」+「共同体のルール」

この三つの綱引きの中にある――と書くと、ドラマを見ている読者にも刺さります。

まとめ:大河の見方が変わるポイント

大河「豊臣兄弟!」を見ながら恋愛面で注目するなら、

1. 「この結婚は恋か?政治か?」(多くは政治寄り)

2. 「家の都合が変わったら、関係も変わる?」(離縁・再婚の可能性)

3. 「庶民パートは“自由”に見えて、共同体が関与していないか?」(娘宿・若者組など)

この3点を押さえると、「戦国の恋」は単なる恋バナではなく、社会の仕組みとして面白く読めるはずです。

参考
* 大河ドラマ「豊臣兄弟!」放送開始情報(2026/1/4)
* 婚姻形態(妻問婚・婿入婚など)の整理 ([文部科学省])
* 離縁状(去状/三行半)と再婚許可文言 ([library-archives.pref.fukui.lg.jp])
* 娘宿・ヨバイの説明(交際→婚姻成立) ([bunka.pref.mie.lg.jp])
* 夜這い習俗を村落構造と絡めて考える論考 ([rekihaku.repo.nii.ac.jp])

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